こんにちは。子ども支援担当のりっちゃんです。
今年も早いもので、一年の締めくくりの時期になりました。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は11月26日(木)に行われた子ども支援ネットワーク会議と
その後に行われた研修会のご報告をさせていただきます。
子ども支援ネットワーク会議では、通常の団体活動報告に加え、
お父さんたちの育児についての話題があがりました。
昔は、「男性が仕事、女性が育児」と役割が分かれていましたが、
だんだんと両立する家庭が増えていく中で、お父さんの育児支援の大切さを感じました。
会議後は、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンさんと共催で
「子どものための心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド:PFA) 紹介版研修」を開催しました。
「PFA」は「Psychological First Aid(サイコロジカル・ファースト・エイド)」の略で、
心の応急手当のこと。今回はその入門編の2時間の研修です。
震災直後から、陸前高田や沿岸部各地で様々な支援を行っているセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンさんが、
「子どものためのPFA」の研修を各地でなさっており、
このたび陸前高田に講師としてお越しいただいて紹介版研修を開催しました。
災害時などの緊急時に、ストレスを抱えている子どもとどのようにコミュニケーションをとるかなど、
専門家ではなくても誰でもできる心理社会的支援の方法を学びました。
今回の研修には、市の保健師、学童クラブ指導員、子どもに関わるNPO/NGOの職員など、
様々な立場の方が集まりました。子どもと関わる仕事をされている方はもちろん、
普段子どもと直接関わることが少ない方にもご参加いただきました。
まずは、参加者の皆さんの自己紹介を兼ねたアイスブレイク。
簡単なゲームを通して、緊張がほぐれ、皆さんの笑顔が見られました。
『相手の顔を見て、名前を呼びながら』ボールを投げ合うことで、
子どもと向き合う時にも同じことが大切、という意味が込められていました。
世界の緊急・人道支援の中で実践されているPFAの経緯や、PFAは誰でもできるということ、
PFAの行動原則「見る→聴く→つなぐ」という3つのステップを紹介いただいた後、
子どもとのコニュニケーション方法を学ぶロールプレイをしました。
参加者がペアになり、1人が子ども役、もう1人が大人役を演じ、
ストレスを抱えた子どもの様々な場面を想定して、
子どもにどのように声をかけたり、話を聴くかを実践してみました。
ロールプレイでは、大人役はPFAの行動原則「見る→聴く→つなぐ」のステップや、
傾聴のスキルを使って子どもに接しました。
災害時だけではなく、
日常生活の中で起こり得るアクシデントなどによりストレスを抱えている子どもたちなど
様々な場面でPFAを使うことができます。
小さい子どもと接する時は、パペットなどのアイテムを介して話しかけると、
子どもが親しみを持ってくれて話しやすい環境を作ることができることがあるそうです。
研修の最後は、シリア難民支援を行っているセーブ・ザ・チルドレンの職員の方が、
PFAを実践しての感想を伝える動画の紹介がありました。動画を通し、
『どのような地域でも、PFAが緊急下の子どもへの接し方について考える
一つの指標になりうることが感じられました。』
と参加者から声がありました。
今回の研修を通して、新たな発見や改めて実感した事が多かったのではないかと思います。
参加いただいた方からの感想をご紹介します。
『より多くの方がPFA研修に参加することで、非常時だけでなく、
日常的に子どもに接する場合にも役立てることができるのはないかと思います。』
『体験する時間もあって、研修内容の理解度が増しました。
「見る、聴く、つなぐ」が基本であること、「配慮ある支援」という言葉が印象的でした。』
今後も、子どもたちのためにできることを学び続け、子どもたちが安心して過ごせるよう、
周りの大人が思いやりを持つ環境であり続ける事を願っています。
最後に、研修を実施していただいたセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンさん、
陸前高田で大切な学びの機会をいただき、どうもありがとうございました。